卒業生に聞く


第20期生 神代良明

第23期生 中村祥子

第31期生 長谷川直良

 第20期生 2003年研究科修了
神代 良明

Q.建築設計事務所を辞めて研究所へ入学されたそうですが、ガラスの道をを選んだ理由は何ですか?

A.休暇で沖縄へ行き、吹きガラス工房を見学したときのこと。真っ赤なガラスがあっという間に器の形に成形されていくスピード感に圧倒されました。建築の仕事はフィードバックの連続ですから、ウニャウニャ動くガラスと、それを扱う職人さんの確かな技との間にある凝縮された時間は衝撃的で魅了され、こんな世界でモノをつくりたいと思った。元々焚き火好きだった自分の中の何かに点火されたものもあったような気もします。

Q.在学中、一番思い出に残っている出来事は何ですか?

A.初めて熔けたガラスを吹き竿で巻いた時、初めてのパート・ド・ヴェールで出てきた青・・・忘れられない事柄ばかりですが、卒業制作展に来てくれた父が僕のモノを観て言った『わからん』の一言。モノをつくっていくという世界がとても非情で、でも何かを信じられるところだと感じた一瞬でした。それから、仲間たちと飲み明かした時間。

Q.ガラス作家として活動を続けておられますが、神代さんにとって「ガラス」とは何ですか?

A.ガラスを素材としてモノを立ち上げ続けてきたことは、実はガラスだけを見てきたのではなく、ガラスを見続けることで日常のモノ・コトと自分を繋いできたのだと感じます。私にとってガラスはこの世界と自分を映す鏡のような存在で、これらが繋がっていく手応えを喜びとして教えてくれています。

Q.後輩へのアドバイスを一言、「在学中これだけは心掛けよ!」

A.色々な方法や歴史・現在に出会いながら、『あなたがどうしようもなく惹かれてしまうこと』、『そういうふうにできているあなた』を確認していって下さい。そして時には衝動的・発作的に行動しちゃえる思い込みと勇気でどんどんチャレンジを試みながら、やわらかく強くなっていく自分を拾い上げていって欲しいと願います。

略歴

1968年  千葉県生まれ
1994年  東京理科大学大学院理工学研究科建築計画専攻 修了
株式会社現代計画研究所勤務(~2000年)
2003年  東京ガラス工芸研究所研究科 修了
2006年  第4回千葉市芸術文化新人賞/金沢卯辰山工芸工房 ガラス工房技術研修者 修了

展覧会

2004年  個展 <ギャラリーエス 東京>
2005年  個展 <ギャラリーゆこもり 長野>
2006年  個展 <アート・インタラクティヴ東京 東京>
かわさきガラス作家展2006   <川崎市産業振興会館  神奈川>
2007年  Allure of Japanese Glass  <Pittsburgh Glass Centerペンシルバニア>
個展  2008年  個展 <画廊椿 千葉>
2009年  ART SELECTION NOW vol.3 <ギャラリーNOW 富山>
ガラスの変貌 展 <ギャラリーヴォイス 岐阜>
個展 <ガレリア・アッカ 東京>

 公募展

2004年   国際ガラス展・金沢2004 大賞(2007年 入選)
<香林坊大和/石川県能登島ガラス美術館>
2005年   洞爺村国際彫刻ビエンナーレ2005       <洞爺村総合センター 北海道>
New Glass Review 27(同30,2008年)        <The Corning Museum of Glass ニューヨーク>
2006年   第8回 大分アジア彫刻展 <朝倉文夫記念文化ホール 大分>
2008年   大一美術館 現代ガラス大賞展2008 奨励賞 <大一美術館 愛知/山木美術 大阪>

主な収蔵先

 金沢市 / 富山市/ Alexander Tutsek-Stiftung<ミュンヘン> The Corning Museum of Glass <ニューヨーク> / 大一美術館<愛知>

 

nakamura中村祥子 /  第23期生
東洋佐々木ガラス株式会社 勤務

私は東洋佐々木ガラスに務めています。機械メイドとハンドメイド部門があるガラス工場で、私はハンドメイド部門で働いています。仕事は主に型吹きで、ワイングラスやタンブラー、外きせの切子生地などを何人かのグループに分かれ、流れ作業で制作しています。
学校を卒業してすぐにこの会社に入りました。学生の頃は自分がガラス工場で働くなんて考えもしませんでした。働き始めた頃は自分ができる作業も少なく毎日同じ事の繰り返しで、一年いたら辞めようかな位に思っていました。それでも溶けているガラスに毎日触れられる事は楽しいし、できなかった作業が徐々にできるようになるのは嬉しい。そうこうしている間にあっという間に7年という月日がたち、色んな作業ができるようになりました。
ここまで私がこの仕事を続けられることが出来たのは、ガラスが好きという気持ちがずっと変わらずあったからだと思います。作業も慣れてしまうとマンネリ化することはありますが、溶けているガラスに感しては一生飽きる事はないんだろうなと思います。

 

 

 

 hasegawa長谷川直良
第31期生

北海道の中学校理科教師を定年を3年残し早期退職し入学。理由は、何かしらやったことのない新しい世界に飛び込んで自分がどこまでできるのか試してみたい、という思いがありました。 教わる側への転換は全て0からのスタートだということをいつも念頭に置きながら、さまざまな顔を見せるガラスに触れ合って、自分の気のおもむくまま好きなようにやってこられたことはとても幸せでした。 今後、私が得ることのできたガラスの知識と技術と喜びを少しでも多くの人に伝える事が出来るよう精進していきたいと思います。